五月の最後の週末に、出張と知人の結婚式が関東でありました。
取引先で一泊の仕事をし、知人の結婚式が行われる地方に向かいます。
打ち合わせをしてご飯を食べ、ほろ酔い気分で宿に戻ってきました。
お風呂に入ろうとしてブラジャーを外すと、
左のカップに、ちょうどTシャツについていたのとおなじようなしみが
ポンポンと付いていました。
なんだか嫌なもやもやが胃のあたりを重くします。
お風呂に入って、どこに傷があるのではとこわごわ胸を調べようとしたとき
ごりっ
と大きなしこりに触れました。
左胸に、鶏卵くらいの大きさでしょうか。(まみはFカップです

)
背筋に寒いものが走り、一瞬頭をなぐられたようなショックが襲いました。
直感的に、絶対に乳癌だと思いました。
まみの周りには若くして癌で亡くなった方がいました。
一人は22歳で、一人は28歳で。
しかも前職のストレスで体を壊していたとき
血液検査をした先生に言われました。
全身は皮膚炎でかさぶただらけ、喘息は数ヶ月間続き、肋骨は疲労骨折、腎機能低下・肝機能低下・結膜炎・口唇ヘルペスとボロボロでした。
「かなり抵抗力が弱っています。ストレスなのですね。
本当に仕事を辞めないと、冗談じゃなく癌にもかかりますよ」
病院に行かなくては。
でもちょうどこの後も出張が続いていて、行けそうなのは二週間後でした。
週末の知人の結婚式は天候にも恵まれ、それは美しい結婚式でした。
オープンエアのチャペルからは、山並みときらきら光る川が見えました。
フランクで温かみがあって、笑いに溢れた気持ちの良い式でした。
たくさん笑って、上機嫌で、一日を過ごしたのに、
一人ホテルの部屋に帰ってくると左胸にあるしこり
という真実が胸を重くします。
窓から見える夜景を一人で見ながら、どうしても心細くなり
大学の同期でもう十年来の付き合いの友だちに電話をかけました。
まみにとってはカレシが居るときでも優先順位一位な、特別な友だちです。
すぐ怒るし、冷たいし、自分勝手で女の趣味の悪い友達です。
でも言う事に筋が通って、おかしいと思ったことはきちんと口に出せる人です。
それに、どんなときでもお腹の底から笑わせてくれて
一緒に居るときは快晴の青空の下にいる気持ちになるような
まみにとって、まるで太陽みたいな人でした。
その日も意味のない世間話をして、左胸にあるしこりを考えてくよくよするのが勿体無いと思うくらいに、心の底から楽しく笑いました。
そんな中、どんな話の流れだったか覚えていないのですが
「俺が99歳まで生きるとしてやで」と口にしました。
ふと、この人ずっと細く長くでも私の人生にいると思っていたけれど
この人の99歳は私見ることはないのだろうな、
そう思いました。